
|
今は亡き、若き日の源氏の恋人、夕顔の忘れ形見玉鬘は、かねてより行方を捜していた 源氏に引き取られ、六条院へ養女として移り住む事となる。 たちまち玉鬘は若い公達の間で評判となり、ことに、風流な螢兵部卿宮と、無粋な鬚黒の右大将が熱心に求婚する。 源氏もその美しさに惹かれていたので嬉しさ半分、寂しさ半分であったが、玉鬘の幸せを願う事に変りなく、冷泉帝の尚侍として出仕させようとした矢先、右大将に強引に奪われてしまう。 病気の妻と別れ、三人の内二人の子供を手元に置く右大将のその事情を知った玉鬘は、不器用だが誠実で優しい右大将をこの時初めて理解することができた。 ながめする 軒の雫に 袖ぬれて うたかた人を 偲ばざらめや (右大将の妻となったばかりの頃、まだ悲しみに暮れる玉鬘が源氏に返した歌)
|
|
 |
カゴの中は空です |
- 合計 : 0 円 - |
|
|